ロードレーサーの場合は、雨天走行出来るほどの構造が有りません。
どうしても雨天を走らなければならない場合の、対策と走行後のメインテナンスに付きまして、、
Ｍｔ富士ヒルクライムは別です！火山灰なのか粘土状になる性質のようでひどすぎます。至急、お近くのショップへ！
自転車の構造を考えますと、回転部分がほとんどと言う事にお気付きと思います。
各部分について構造と、メインテナンスに付きまして記してみたいと思います。
機種、構造別の詳細はどうぞご質問下さい。

チェーンも厳密には回転部品になります。
チェーンは４つのパーツで構成され、アウター.インナープレートとピン、ローラーに分かれます。
チェーンの潤滑で最も重要なのがピンとローラーの間の面接触部分になります。
この部分は新品状態でグリースが入っており、チェーンクリーナー（どぶ漬けタイプ）や、雨天の長時間走行などでグリス切れの状態になります。
昔は（古い話ばかりでごめんなさい）、チェーンを外し洗い油で洗浄後、グリスを湯せんしてその中に入れ、細部にまでグリスを行渡らせる工夫が必要でした。
今、私が推奨している方法ですが、パーツクリーナーで満遍なく洗浄（どぶ漬けではなく）し、ドライ系のワックスタイプルブで給脂します。
チェーンを外さない場合は、タイヤ、リムなどに油分が付着しないよう注意します。
この作業でチェーンの回りが非常に軽くなり、効率の良い走行を楽しめます。

ＢＢ（ボトムブラケットの略）部分は、大変重要な部分であるにもかかわらず、メインテナンスしにくい部位でもあります。
最近のホローテック�兇筍唯釘韮�-ＥＸＯタイプは、アウターベアリングタイプと定義させていただきます。
これはフレームのハンガーより外側にベアリングハウジングがあるタイプで、全てシールドベアリングを採用しています。
外部からの水分の浸入は、水没しない限り大丈夫でしょう。
内部は左右のＢＢを繋ぐパイプ状のウォーターシーフで覆われていて、耐油性のＯリングでシールしています。
このため、水没には対応出来ませんが、20ｍｍぐらいまでの水没には耐えられるはずです。
正確には、組付け時にＢＢネジへの正確な作業と、グリス塗布、Ｏリングへのシリコングリス塗布作業で最大限のシーリングを可能にします。
この部分のベアリングに水が入りますと、グリスはエマルジョン化し極圧性能を極端に落します。そしてボールベアリングを損傷し錆を招きギシギシ音が始まります。
これは比較的安価なパーツですので、最悪交換で対応出来ますが、問題はＢＢ取り付け作業時にグリスを塗布しない作業ミスの場合です。
毛管現象で、ネジの細部に水が浸透し、スチールフレームは当然ですが、カーボン（この部分はすべてアルミのインサートです）、アルミフレームも錆を誘発しＢＢを固着させます。

インナーベアリングの従来タイプでは、デュラエースBB-7700系のみ4列のベアリングを採用する以外、完全なシールドベアリングですので、内部の心配はほとんどありません。
7700系デュラエースは早急にＯ／Ｈが必要になります。

ハブはどうでしょう。
ハブは前後と、フリーボディに分かれます。
シールドベアリング採用モデルでは、水没することがない部位ですので、何とか大丈夫でしょう。しかし、年数が経過しているハブでは、シールドベアリングのシールドプレート部がラバーですので、経年変化で機能劣化している場合があり、水分の浸入でベアリング交換になる場合があります。
カップ＆コーン構造（シマノと比較的低価格品に採用）では、充分なシール構造は作れませんので、シールラバーが劣化していると浸水します。
同じくグリスが変質し、そのまま走行することでハブベアリング部（ハブ本体カップ、玉押しコーン、ベアリングボール）を損傷します。
至急の点検、グリス交換が必要になります。
今までオーバーホール等でハブを分解しても、４列のベアリングで残念ながら１ヶ所程度、水が入っている場合が多いです。その中にはベアリングを交換しなければならない場合があり、本来の性能を回復できない場合もあります。

ヘッドパーツはスムーズなステアリング操作に、重要なパーツです。
構造はカンパニョロのようにリテーナーを使用しベアリングボールを保持する従来からの仕様が、一部（15万円以下ぐらいか）なもので見受けられるほかは、全てシールドベアリングを採用しています。（メーカーなどにご自分の種別を確認する事をお勧めします）ちなみに私はすべてシールドベアリングで組んでいます。
しかし、これも毛管現象で浸水しやすい部位です。
シールドベアリング自体はＶＰ.ＴＨインダストリーズ.丹下精機のほぼ３社で各メーカーのヘッドセットをまかなっています。
各社接触型のシールドですが、若干隙間があるためか、組付け時にシリコングリスで覆ってあげないと浸水しベアリングに錆が発生します。
スムーズなステアリングは、大切な要素ですので、ご注意下さい。

ワイヤーは見逃されがちな部位でしょう。
アウターケーシング（アウターワイヤー）の構造は、ブレーキがらせん状のスチールコイルを中心に、インナーワイヤーが接触する部分にライナーをインサートし、ビニール被服を施した構造で、インナーワイヤーはステンレスになりましたが、一部メーカー車には、スチールワイヤーを採用したモデルもあります。シフトワイヤーケーシングは、コイル状ではなくスパイラル状になっているだけで、基本構造はブレーキアウターケーシングと変わりません。
10速を採用するシマノはSP-41系のアウターケーシングで、内部に特殊なシリコングリスを封入しています。
雨でシールドキャップを使っている自転車以外では、長時間の走行で浸水します。

オーバーホールでお預かりする約1年走行した自転車でも、外見は正常に見えますがアウターケーシングは錆びている事がほとんどです。

ペダルも重要なパーツです。
スムーズな回転は、ベアリングで確保されています。
種類はシールドかカップアンドコーンです。
構造上小さなベアリングに頼る部分なので、メインテナンスは皆さんには難易度が高い部類でしょうか。
比較的交換も簡単ですので、ガタが出たり異音が出た場合は、O/Hにチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。
反対側がお手本になりますから。

雨中走行が予想される場合の対策ですが、シートポストとフレームの隙間に密着性の高いテープでシーリングすることをお勧めいたします。
後輪からの巻き上げる雨水がこの部位に強制的に浸入するからです。
他には高価な革張りサドルをだめにしないよう、サドルカバーを使用すること。
等でしょうか。

走行後は、水洗い(高圧はだめですよ）、濡れ雑巾で拭き取る事が最優先でしょう。
特に冬季積雪や凍結のある地域では凍結防止に塩化カルシュームを散布していて、いつまでも路面に残りますから、腐食に繋がりますので事後処理は急がなければなりません。
その後、各部の点検、分解、グリスアップ等になると思います。

お疲れでしょうが、どうか充分なメインテナンスで、労苦を供にした愛車を労わってあげてください。