122d3fa3.JPGツールドフランス5勝、ジロ5勝、ブエルタ優勝のグランツール全てを制した偉業を持つエディメルクス。
彼の自転車のジオメトリーが、紹介されたニューサイクリング1976’8月号が手元にある。

古びた紙面をめくると、1975’3月31日から4日までのステージレースで使用されたベルギー ケッセル社のフレームジオメトリーが紹介されていて、フレームサイズは590だが、ヘッドアングルが75度30’ シートアングルに至っては76度30’だ。
特に彼はハンガー周りの剛性を損なうような構造を嫌い、大きなチェーンリングの逃げは、潰し加工ではなく曲げ加工でかわしていた。

今では乗れる人もいないであろう、そのジオメトリーの妙を、大きく変化させてまでフレームにこだわる姿勢は、今も全く変わらない。

ここで紹介させていただくフレームは、LXMというモデル。
カーボンフレームでは、下位グレードになるものの、画像の通りヘッド周りに最も注力しているのがうかがえる。
画像にはないが、フロントフォークのコラム周り、クラウン周りは、これ以上造りようがない頑丈さだ。

LXMヘッド周り







パヴェ(石畳の道)が多く存在するベルギーのサイクリストに、メルクスが与えたフレームだからこそ、その強靭なフロントフォークと、多くのフレームが採用する、シートステーをボルト止め式ではなく、チェーンステーと一体のアーチ型にデザインしリヤーエンド部分の強度を飛躍的に向上させる事が必要なデザインだったのだろう。

シートチューブ上端部

リヤーエンド







この手の込んだデザインと、高水準なカーボンの材質を知らしめる軽さと手応え。
にもかかわらず価格がまた105フルセットで282,450円(当店価格240,000円)という他ブランドと肩を並べる価格に、輸入代理店の老舗、深谷産業がまとめてきたのだ。

ウェイト








これには正直驚いた。
重量を測ると、グラマラスで複雑な形状のフレームにもかかわらず、カタログ値より少ない値が表示されたのも、カーボン素材の品質を実感できるものだ。

この数値は、6kg台が充分視野に入る最上級グレードのロードフレームと、ほとんど変わらない数値だ。

自転車王国のベルギー。
ご予算が許すのであれば、エディ メルクスの監修を受けたこのフレームで、ぜひロードレーサーの真髄を楽しんでいただきたいと、私は心より願います。