雨が雪に変わり、積雪も心配されましたが、雪の降り方が凄かった割には、案外雪も残っていなくて帰りは安心できました。
こんなお天気は、交通不便な当店はお客様も少なく整備作業に終始する日になります。
今日は、トレック、クロスバイクのオーバーホール作業をいたしました。

TREK クロスバイク


お客様は、この自転車をとても大切に乗られています。
2年近く何もしていないので、とのことでO/H作業でお預かりいたしました。

ボトムブラケット


作業途中の画像は気が付くのが遅く撮影していませんでしたが、ちょっとした勘所をお知らせしたくて組立作業を始めてから撮影を始めた次第です。

まず、このボトムブラケットです。
最初は動きが渋く交換を考え、部品も発注しました。
しかし、この手のカートリッジBBは、修理も可能な部分があり、ちょっと手をかけたところ、見事に蘇りました。
この手のカートリッジベアリングBBは、新品でもフレームにセットすると動きが渋い場合が良くあります。
クランクの回転数では、大きく問題にならないので、そのままにしているお店や、工場がほとんどなのですが、ちょっと無視できないフリクションロスと私は考えます。
裏技は、フレームにセットしてから渋い動きになっている場合、シャフトそのものを左右からハンマーで少しゴツンとやります。
叩き加減が微妙なので、説明は難しいのですが、僅かに叩くとシャフトの動きが劇的にスムーズになります。
これは、カートリッジタイプBBのシールドベアリングに、セットすることで横方向のストレスがかかってしまった場合に、それを解放してあげるのが、叩くと言う作業です。
このような事は、シールドベアリングのハブでも行う場合があります。

これで、回転はご覧のようにスムーズになりました。



後輪ハブの玉押しの様子です。
こんなになっては、交換しか手がありません。
シマノ純正ハブを使っていたので、シマノの純正玉押しを使いました。
2分ボールベアリング玉も、全交換です。

玉押しの虫食い状態


RDのプーリー。分解整備して非常に良くなりました。
ヘッドのリテーナーも、清掃して組み換え。
フレームからパーツを全て外して、整備してから組みつけます。
特に問題個所は見つかりませんでしたが、ハブとクランク、シフター、ヘッド等が特にスムーズになりましたので、劇的変化を感じていただけることと思います。

ヘッドチューブの傷


ところで、販売したお店はブレーキ、シフトケーブルをメーカーの仮組み状態のまま販売してしまいました。
フレームの塗装がこのようにはがれるほど、ブレーキワイヤーアウターケーブルはフレームを痛めてしまいます。
そのため、私はアウターケーブルに保護チューブを取り付けて、何時も組んでいます。

リムのブレーキ当たり面


リムのブレーキ当たり面

後輪のブレーキ当たり面です。
ブレーキシューの取り付け位置が不適当で、このように本来黒い部分であるリムのブレーキ面以外のところを、ブレーキシューで傷めてしまっています。

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クロスバイクは、使用頻度が極端に多い場合があります。
通勤等の使用が前提の場合、かなり酷使されている場合がありオーバーホールは欠かせない作業になります。
今回は、ハブの玉押しまでが損傷するほどの状態でした。
きちんと整備作業することで、またこの先2年ぐらいは普通に使えますので、ちょっと費用はかかりますが、オーバーホールをすることをお勧めたします。
今回の整備費用 交換部品代含む 約28,000円