もう何十年も作っていなかった伊藤氏が、久々にトーチを握ったのは、既報の通りです。
今回は、自分のロードを見本に作ってもらいに行きました。
そこは、それ。
ハンガーやラグを選んで、更にラグ等を自分の思い通りの形にして、特殊工作もお願いして、、、

フォーククラウン


使用部品


これが使用部品です。
ロストワックス製のラグと、クラウンです。
ハンガーには、希少なチネリを使いました。
エンドはショートタイプのカンパニョーロです。


Campagnolo ロードエンド


これがもとの形状
ふつうはこのままパイプに割を入れてロウ付けしますが、シャークは違います。

Campagnolo ロードエンド


リヤーエンドを加工


このように、差し込む部分のエンド側にも割を入れ、チューブがほぞ組のようになります。
より深く確実に組み合わせることで、高い耐久性を生んでいます。
競輪用のエンドでは、比較的切り込む部分に余裕があるのですが、ロード用ではこんな感じになります。

クラウンのロウ付け


フォーククラウンのロウ付けです。
オールステーツと言う、今では伝説の高強度ロウ材を使用しています。
全体を充分加熱して、特殊なフラックスを使い、コラムとハンガーの僅かな隙間に完全に流し込んで裏側へロウが溶け落ちて行くのを見ながらの作業です。
炎の色、トーチの使い方、火の加減は、大きく強度を左右する重要な作業です。

フォークコラムとリヤーエンド


作業が終わった状態です。
黒くなっているのはフラックスによるもの。
溶接個所だけではなく、守りたい部分にもフラックスをたっぷり塗ります。
酸洗い後、表題のような綺麗な状態になります。


全体のジオメトリー


スケルトンはこんな感じです。
CT-525mm トップ530mm ヘッド72.5 シート74 チェーンステー 403mm
オフセット45mm チューブラータイヤで乗ります。

フォークブレード


シートラグとシートステー笹


チネリのハンガーシェル


ハンドカットラグ


ラグは、まだ粗削りの段階ですがハンドカットでショートポイントのカッコいいものに直します。

シートステーの笹の部分は、シャークのもの。
薄くて集合ステーのような幅でありながらしっかりと笹面が出ています。
シートラグのクランプが気にいらないそうですが、今回はこれで行きます。

ラグの内側を削り角度を合わせて添わせる等、まだ借り付けにも程遠い状態ですが、一つ一つ手作業でするために、このぐらいの作業で、昼食抜きで3日かかりました。

精度と形にこだわった土屋の伝統を引き継ぐ伊藤氏。
まさかまた自転車作りを始めるとは思ってもみんかったとおっしゃっていますが、まだ作り込みたい一心でやすりを手にとる姿は、ピンとしています。
4ワイヤー内蔵工作等、この後も数日かかりますが、完成を楽しみにしています。

伝説のシャーク。
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