日本製紙 クレシア製、ワイプオールという製品をご存知でしょうか。
私は、車の整備をしていた時代から、微細なベアリング等を整備するのに欠かせないアイテムとして、アメリカ製でしょうか?ショッププロというペーパーウェスを使用していました。
長い時間かけて組んでも微細なモノが入り込むと、ミクロン単位で調整した個所が台無しになります。
そんなシビアなところには、必ずこのショッププロというペーパーウェスを使用してきました。
いつしかこのショッププロは姿を消し、探しあぐねていたところに、デッドストックを亀戸のサワ商さんで偶然見つけ、当時、自転車店を準備していた私は、ケース単位で購入しました。
極ごく小さなベアリングを、しかも裸のボールで整備する自転車だからこそ、けば立ちのないこのペーパーウェスが必須なのです。
このショッププロが、ネームを変え今はクレシアからワイプオールという名称で安定供給されるようになりました。



ワイプオールには、厚さの違いで何種類か製品があります。
私はX60かX70を好んで使用しますが、フレームを拭き上げるのでしたら薄手が、チェーン、スプロケットの汚れを落とすなどは厚手が良いと思います。
また、雑巾のように水でしぼって使うことも出来ますので、砂だらけのフレームを傷つけずに掃除するには、厚手を使って水に浸したような状態のまま砂汚れを落とすことを先にすると良いでしょう。
このワイプオールは、パルプとポリエステルで作られた不繊紙のような素材です。
よく、DVD等の入れ物にも、このような製品が使われていて、ケバが出ないのが特徴です。
ヘビーな使用例ですが、丁度アルテグラホィールのオーバーホールをしましたので、手順とともにご紹介いたします。

6600のアイスグレー、カラー アルテグラSL Rrホィールです。

まずクイックシャフトを抜いて、カセットを外します。
カセット組み込まれるハブ側フリーボディはアルミ製です。
中にはシールドベアリングが圧入されています。
このベアリングがダメな場合は、ボディーごと交換になります。

では分解を始めます。
最初の使用工具は17mmの正確なハブスパナと5mmの精度の高い6角レンチ(ヘックスレンチ)です。
6角レンチを固定してハブスパナを逆ねじ緩め方向に回し緩めます。
ここは逆ねじです。
この画像でハブスパナは上に(時計方向)回します。
持ち込まれたホィールで、某ショップが先にこれを逆に回したため、高価なデュラエースのハブを壊していました。
アルミシャフト、アルミねじですので、逆に回すとシャフトごと壊れます。

ご覧のようにシャフトは残り、キャップのような形状のナットだけが逆ねじで外れます。

フリーボディを抜きます。
内部はご覧のようなあり様。

反対側(左)を外します。
こちらは普通の回転方向のねじです。
このとき注意しなければならないのが、20mmの薄刃のコーンレンチです。
黒いのがそれなのですが、シマノのペダル用として販売されているものを精度を上げて使用しています。

外れました。
一番上に見えるのが玉押しです。

玉押しを外すといよいよボールが見えてきます。
外見上は、グリスの状態も良くきれいです。

フリー側にシャフトを抜くと、ばらばらになります。
このホィールのボールは、比較的小さく数も多いです。

右側フリーボディを抜いた状態です。
一番下が碗で、その上の段付にラバーのシールドが付きます。
その上がラチェット部分で、ベアリングボールとラチェットは使用するグリスが異なります。

ワイプオールで清掃中です。
これはX70を使用しています。

反対側(左)も同様にきれいにします。

右側 フリーボディ側の画像です。
ベアリングを並べてグリスを塗布している状態です。

ここにラバーシールが入ります。
このシールは裏表がありますから、間違えないように組んでください。
外周部は、ハブボディの段付にきれいに収まります。
この組み付けが不確実ですと、最後でフリーがスムーズに回らなくなります。
その上のラチェット部分に塗布するグリスは、シマノ純正のフリーボディグリスを使用してください。
当店は秘密のグリスを使用していますが、ここも純正品でかまいません。

反対側です。
ベアリングの状態が良いので、今回はボールを再使用しています。
その際の注意点は、右から出たボールは右へ、というように左右をまぜこぜにしないことです。

右側からシャフトを入れます。
玉当り調整を行いますが、これは全て左側です。
このフリーを装着する前に、確実に玉当り調整をします。
強い力で、これでもかってシャフトを両手で動かし、コクリともしない位置で、なおかつ一番回転がスムーズな位置。それはピンポイントです。
納得が行くまで何度でも調整してください。

右側にフリーボディを挿入します。
ラチェットの爪が出ていますので、左に回しながら入れるとスムーズです。

カセットスプロケットをワイプオールで清掃して組み付けます。
作業はこれで完了です。
この日は、同様に前車輪も作業しましたが、玉押しもグリスも異常はなく、丁度分解整備に最適な状態でした。
壊れてからでは部品代がかかります。
それより何より、なじんだハブは新品以上に良い回転をもたらします。
毎年グリス交換することで、なめらかな回転のハブに乗るという心地よさが味わえますので、どうぞお試しください。
難易度の高い整備ですので、この整備は充分な経験と、高い精度の工具を必要とします。

フレームをこのように拭き上げるのにも最適です。
特にカーボンフレームを含むフレームの塗装面は、塗膜の高度もさほど高くなく、繰り返し拭いているうちに細かい傷で輝きを失っていきます。
ぜひ、ワイプオールを使ってみてください。
当店でも、常時在庫をしています。
自転車の日常メインテナンス、清掃などワイプオール使用方法等、どうぞご相談ください。
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私は、車の整備をしていた時代から、微細なベアリング等を整備するのに欠かせないアイテムとして、アメリカ製でしょうか?ショッププロというペーパーウェスを使用していました。
長い時間かけて組んでも微細なモノが入り込むと、ミクロン単位で調整した個所が台無しになります。
そんなシビアなところには、必ずこのショッププロというペーパーウェスを使用してきました。
いつしかこのショッププロは姿を消し、探しあぐねていたところに、デッドストックを亀戸のサワ商さんで偶然見つけ、当時、自転車店を準備していた私は、ケース単位で購入しました。
極ごく小さなベアリングを、しかも裸のボールで整備する自転車だからこそ、けば立ちのないこのペーパーウェスが必須なのです。
このショッププロが、ネームを変え今はクレシアからワイプオールという名称で安定供給されるようになりました。
ワイプオールには、厚さの違いで何種類か製品があります。
私はX60かX70を好んで使用しますが、フレームを拭き上げるのでしたら薄手が、チェーン、スプロケットの汚れを落とすなどは厚手が良いと思います。
また、雑巾のように水でしぼって使うことも出来ますので、砂だらけのフレームを傷つけずに掃除するには、厚手を使って水に浸したような状態のまま砂汚れを落とすことを先にすると良いでしょう。
このワイプオールは、パルプとポリエステルで作られた不繊紙のような素材です。
よく、DVD等の入れ物にも、このような製品が使われていて、ケバが出ないのが特徴です。
ヘビーな使用例ですが、丁度アルテグラホィールのオーバーホールをしましたので、手順とともにご紹介いたします。
6600のアイスグレー、カラー アルテグラSL Rrホィールです。
まずクイックシャフトを抜いて、カセットを外します。
カセット組み込まれるハブ側フリーボディはアルミ製です。
中にはシールドベアリングが圧入されています。
このベアリングがダメな場合は、ボディーごと交換になります。
では分解を始めます。
最初の使用工具は17mmの正確なハブスパナと5mmの精度の高い6角レンチ(ヘックスレンチ)です。
6角レンチを固定してハブスパナを逆ねじ緩め方向に回し緩めます。
ここは逆ねじです。
この画像でハブスパナは上に(時計方向)回します。
持ち込まれたホィールで、某ショップが先にこれを逆に回したため、高価なデュラエースのハブを壊していました。
アルミシャフト、アルミねじですので、逆に回すとシャフトごと壊れます。
ご覧のようにシャフトは残り、キャップのような形状のナットだけが逆ねじで外れます。
フリーボディを抜きます。
内部はご覧のようなあり様。
反対側(左)を外します。
こちらは普通の回転方向のねじです。
このとき注意しなければならないのが、20mmの薄刃のコーンレンチです。
黒いのがそれなのですが、シマノのペダル用として販売されているものを精度を上げて使用しています。
外れました。
一番上に見えるのが玉押しです。
玉押しを外すといよいよボールが見えてきます。
外見上は、グリスの状態も良くきれいです。
フリー側にシャフトを抜くと、ばらばらになります。
このホィールのボールは、比較的小さく数も多いです。
右側フリーボディを抜いた状態です。
一番下が碗で、その上の段付にラバーのシールドが付きます。
その上がラチェット部分で、ベアリングボールとラチェットは使用するグリスが異なります。
ワイプオールで清掃中です。
これはX70を使用しています。
反対側(左)も同様にきれいにします。
右側 フリーボディ側の画像です。
ベアリングを並べてグリスを塗布している状態です。
ここにラバーシールが入ります。
このシールは裏表がありますから、間違えないように組んでください。
外周部は、ハブボディの段付にきれいに収まります。
この組み付けが不確実ですと、最後でフリーがスムーズに回らなくなります。
その上のラチェット部分に塗布するグリスは、シマノ純正のフリーボディグリスを使用してください。
当店は秘密のグリスを使用していますが、ここも純正品でかまいません。
反対側です。
ベアリングの状態が良いので、今回はボールを再使用しています。
その際の注意点は、右から出たボールは右へ、というように左右をまぜこぜにしないことです。
右側からシャフトを入れます。
玉当り調整を行いますが、これは全て左側です。
このフリーを装着する前に、確実に玉当り調整をします。
強い力で、これでもかってシャフトを両手で動かし、コクリともしない位置で、なおかつ一番回転がスムーズな位置。それはピンポイントです。
納得が行くまで何度でも調整してください。
右側にフリーボディを挿入します。
ラチェットの爪が出ていますので、左に回しながら入れるとスムーズです。
カセットスプロケットをワイプオールで清掃して組み付けます。
作業はこれで完了です。
この日は、同様に前車輪も作業しましたが、玉押しもグリスも異常はなく、丁度分解整備に最適な状態でした。
壊れてからでは部品代がかかります。
それより何より、なじんだハブは新品以上に良い回転をもたらします。
毎年グリス交換することで、なめらかな回転のハブに乗るという心地よさが味わえますので、どうぞお試しください。
難易度の高い整備ですので、この整備は充分な経験と、高い精度の工具を必要とします。
フレームをこのように拭き上げるのにも最適です。
特にカーボンフレームを含むフレームの塗装面は、塗膜の高度もさほど高くなく、繰り返し拭いているうちに細かい傷で輝きを失っていきます。
ぜひ、ワイプオールを使ってみてください。
当店でも、常時在庫をしています。
自転車の日常メインテナンス、清掃などワイプオール使用方法等、どうぞご相談ください。
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