7月から続いている2016年展示会もTime、その他を残すだけになってきました。
日本のロードバイク市場が世界から見ると奇跡的な成長を遂げていて、販売不振にあえぐ北米、欧州からは宝の山に見えるのでしょう。
今ではユーロバイク、インターバイクに先んじて、日本の皆様に新製品をご覧いただける環境になりました。
日本の展示会の後に、同じものをユーロバイクに展示するということが起こってきているのです。
この世界では、まず日本のマーケットなのです。
株式会社でもあるライトサイクルは7月決算。
おかげさまで多くのお客様にご愛顧いただき、販売は好調に推移しています。

自転車は自転車生産国だった昔と違い、ほとんどすべてを輸入に頼っていますから為替の影響をまともに受けてしまいます。
消費税の数パーセントをはるかに超える為替の変動は、収益を悪化させるも、弊社に限っては好転することを期待しつつ未だに据え置いています。

お取引先の各ブランドは、毎年価格の変更をしてきており、お客様から憧れの自転車が、ホィールが遠のいていく流れになってしまっています。
2016年モデルの傾向でも、おおむね5-10％の価格変更をしていることは既報の通りです。

ところで、現在のカーボンフレームについてです。
カーボンフレームと言うのは、それこそ鯛焼きの型の様なものを作り、その中にカーボンシートを貼り付け、合わせて内部にエアで加圧し、約150℃で加熱、成形するという工程で生産されます。
国内生産はほとんどなく、海外からの輸入に頼っているわけですが、生産の主産地は主たる台湾工場も中国に工場を建設し移ってきています。
製作に一番費用が掛かるのが、金型と人件費になります。
人件費は、もちろん上昇してきていますが、金型は使い続けることで減価償却が進み生産コストは下がるはずです。これをうまく使っているけどなぜか販売価格には反映されてきません。

毎年、毎年新製品を出し続けるブランド（工場を持たないところがほとんどなので、メーカーとは言わない）は、大きなお金がかかるうえ宣伝経費も莫大で有名チームに巨額の費用を出しています。
そしてその巨額な費用を負担しているのは、購入者なのです。

自転車店も、大きなブランドを扱うには、大きなリスクを伴います。
お客様が買ってくれるかどうかもわからないものを大量に仕入れなければならないのです。
仕入れれば販売しなければならず、無理な販売や通販に販路を求めざるを得なくなります。

私たちは自転車が好きで、この仕事をしています。
従いまして、価格にメリットのない大きなブランドは、難しいのです。
一番大切なのは、そのお客様に合った自転車をご提案させていただくこと。
これは本当に難しい事です。

ご予算
ご経験
スポーツのご経験
体の柔軟さ
体格
どのように走りたいか　どんなところを
そして今後どのようになっていくかの推察

ご予算が少なくても、経験が全くなくても全く問題ございません。
ライトサイクルにご相談されるお客様のほとんどの方は、最初そのようにお話を伺います。
しかし、体型の特徴、御召し物の傾向、今までされてきたご趣味など、大きなヒントが実は隠されていて、お客様のご希望とうまく合わせるとよいご提案が出来ることがほとんどなのです。

自転車は同じように見えて、設計には意図があります。
それを正確に読み解くことで、お客様の走り方にあった自転車をご提案できるのです。
材質、製法、寸法など、多岐にわたりますが、この事はとても重要で、自転車を楽しく感じて好きになっていただくための大きな要素になるのです。

ライトサイクルのスタッフは、皆このことを熟知していますから、安心してご相談ください。
お好きな色の傾向だけでも構いません。

先に有名な国内フレームビルダーの方と出版社主催のパーティの席でお話しさせていただいたことがあります。
25や28Cのロードレーサーに対応できないとおっしゃっていましたが、私は昔から21Cのチューブラーで乗っていたから充分ですと言いました。その時の喜びようったら。太いタイヤ、寝かしたシートチューブでは最も重要なリヤーセンターを短くすることが出来なくなりますからビルダーは憂いていたのです。
私はその方のお仕事を確か2年前のハンドメイドバイシクルショーで見ています。
そしてそのフレームは、ラグの厚みを僅か0.3-5�个阿蕕い泙悩錣蠑紊欧討い橡榲�に美しいイタリアンカットのラグでした。
現在主流のロストワックス製のラグでは加熱すると割れてしまうため実現できない薄さです。
氏は、それこそ鋼板の薄板をチューブに丸め溶接した後にハンドカットで流れるような美しいラインを形にしていました。
そのフレームは？との問いに、2度と作りたくないと、その製作の手間暇を教えてくれ、今どうしています？との問いには、色を塗り替えてご自身で乗っているそうです。
正直、しびれました。
他にオフレコのこともいろいろとお話しさせていただきましたが、私のことも評価してくださり、今後のお付き合いがより深いものになる予感を感じました。
お会いしても、今までは雲の上の方。
ちょっと近づけたようで嬉しかったパーティの席でした。

LIGHT CYCLEは、自転車を修理、調整、組み立て、販売をさせていただいています。
毎日、いろいろなご相談があり、時には本当に困って遠くからお越しいただくこともあります。
最近はフレームの修理のご依頼が増えてきました。
修理できるということは、お客様の安心につながりますから、販売車の修理にはそれこそ死ぬ気で頑張っています。修理のための部材を取り寄せるにもフレーム工場まで行って、フレーム工場が使う部品を仕入れて対応しているほどです。
出来ることには残念ながらまだ限りがありますが、精一杯快適で操作の軽い自転車を組み立てるべく、日々努力しています。
最近の内装ワイヤールーティング車は、特にスタッフの松原が良い仕事をしてくれています。
各社からフレームとワイヤーに最適なライナーを取り寄せ、ストックしていて最適な状態に組んでいます。

川上も、みっともない自転車にならないよう、限られたご予算の中で完成状態を創造して描きながらお見積もりを作成しています。
最近は、チタンフレームの設計も良い設計をするようになってきていて、うならされることもしばしばです。

このシルバーウィーク連休中、最終日の23日のみお休みをいただきますが、毎日営業していますのでご興味がございましたら是非ご来店くださいますよう、お願い申し上げます。

このブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。



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余談
先日、近所の京葉道路に面した蕎麦屋さんのご主人が、出前に使う3輪車を修理に持ってこられました。
いつもお世話になっている自転車ですから治したいです。
これはブリヂストン製の10年以上前のもの。
クランクを回すとフリーが固まってしまっています。
逆回しすると左後輪の軸が緩んで外へ出てきてしまいます。
時間もないので、原因を探るべく分解開始。
出前機を外し台を外します。
そうすると見えてきました。
後ろ軸を支える長いハンガーの様なものの中でベアリングボールがばらばらに。
さらにフリーホィールギアーが固着していました。
最近の大雨は、海からの雨なので塩分が多くこのようになったのでしょう。
フリーボディは固着して外れないため、オイルで満たして動くのを待ちます。
問題なく動くようになり、ハンガーシャフトのベアリングを組みなおし再組立て。
治りました。
スナップリングなどで組んであったり、設計した人の苦労も見て取れ、楽しい作業でしたが体はきつかった。
何しろすべてが重いのです。
蕎麦の出前を片手運転をお回りさんに注意されてから、この3輪車でしている老齢な旦那さん。
これからも車に注意して運び続けていただければと思います。
軽々と回るペダルが、少しでもお仕事のお役にたてればと願っています。