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この画像はスチール製 RECON Feカセット ロークロスレシオです。
12-14-16-18-20-22-24-25-26-27-28Tの歯数構成です。

先のサイクルモードでT社ブースでロークロスカセットと同じ歯数構成のカセットが展示されていて、正直呆れました。
私たちがお客様のご意見から製品化したロークロス歯数構成を、真似してくるなんて。
製品開発で一番苦労したのがロークロス部分ではなく、その歯数構成を可能にするためにギャップを大きく設けたトップ側の12-14-16のシフト性能。
試行錯誤してようやく満足できる動作の製品に仕上げてきましたから、さすがにそこまで簡単に真似は出来ないとタカをくくってはいますが、果たしてどうでしょう。

表題のアルミかスチールか、多くのお客様からご質問を受ける素材の選択の参考になれば。
少し使用感と耐久性に言及してみたいと思います。

アルミカセットは、重いギアーをスプリントで使うような使い方には、正直向きません。
スプロケットを交換して使うユーザーでしたら、走行前のメインテナンスの中で、その日のライドにあわせて交換していただければと思います。
アルミカセットを少しでも大切に使おうと思っていただけるなら、その使い方を伝授いたします。

出来るだけ新しいシマノ、カンパ、KMC製のチェーンで使用してください。
通常のカセットの調整は小さいギアー(TOP側)からあがるようにワイヤーを調整していきますが、RECONの調整のコツは大きいギヤー(LOW側)から落ちていくほうで調整します。
ホィールへの取り付けは、シマノの半分ぐらいの20ntで取り付けてください。

乗っているときの注意点ですが、急激なトルク変化を避け、ロー側へ変速するときも少しペダルを踏む力を緩めて変速していただければ大幅に寿命を伸ばす事が出来ます。
ローラー台などの使用も常に負荷のかかる状態になるため、スプロケットにはよくありません。

逆に言えば、これだけの注意点です。

私も、周りのお客様も多くの方にご愛用いただいていますが、デュラエースやレコードのカセットより軽く、価格も安く、いくつかの歯数を目的に合わせて組み替えて使う方もいらっしゃいます。
私は、毎回ではありませんが、もう3年以上使っている10速カセット。
11-30Tの11速を山用に。
イタリアのドロミティでも使ったカンパ用の29TロークロスをEPSで使っているもの。
すべてが問題なく動作し続けています。

スチールカセットですが、これも真似品が出てきているので、なんだかなーと思いますが、弊社は生産者側のテストでデュラエースのカセット、チタン部分の3倍の耐久性を誇ると豪語している特殊材料が特徴です。
ヒーティングトリートメントを施し、硬さと粘り強さのちょうど良いバランスで作られています。
極限まで切削していますが、肝心の変速性能は充分なテスト済み。

お分かりと思いますが、シマノなどコンポーネントメーカーが作るのは、世界の一流選手がレースで使う歯数構成をそのままSORA クラリスに至るまで同じ設定をしていますが、週末乗るだけの私たちや、ヒルクライムという半分以上のギヤーを使わない特殊な競技では、私たちのカセットの軽さと実用本位の歯数構成に気づかれる事でしょう。

私たちのRECONカセットは、すべて1000tプレスで金属を強く圧縮するところから生産が始まります。
金属には繊維と言う考えはありませんが、連続した分子構造のつながりを切削する作り方になるため、出来るだけ密にしておく必要があるためです。

製作途中の画像をこのブログエントリーに載せています。リンク先を御覧ください。

歯数の構成が自由に出来る。またこれも真似されていますが、10速ハブボディに取り付けできる11速カセットが出来るのも、すべて切削で作っているからに他なりません。
海外のショーでも、同様の切削製品を作る工場の出展もあり、RECON以外でも作れそうですし、前出のように作っています。
しかしその生産プロセス、CNCマシン、歯先のプロファイル、素材、トリートメント、表面処理に至るまで、RECON社は先を行っています。
日本国内の技術者に見せても、その工作精度には驚かれます。

日本のある組織で設計を担当している方が、以前ご来店になり、「私もこのようなアイディアを持っていて、出入りの工作機械メーカーに試作を頼んだけどだめなんだ」と言って、私たちの製品を良くやってくれましたと褒めてくれました。
RECON社は、過去にも欧米の有名コンポーネントメーカーのOEM生産もしており、テフロン加工したスプロケットや、あえて歯のない部分をカセットに作るパテントも持っています。
いつも脂ぎった太目の体の社長 Harry Fangは気の良い人で、訪問するとアイディアのディスカッションは何時間も続いてしまいます。
今後シマノは12速になるであろう、135mmエンドにもなるでしょう。
ディスクブレーキは、MTBは?
そのために何が出来るか。
何がお客様のためになるか。
いつも彼が用意してくれる高級烏龍茶をご馳走になりながら。

新春より、早くもヒルクライム大会のエントリーが始まっています。
Mt富士ヒルクライム
榛名ヒルクライムなどのメジャー大会でも、使用率は大変高く、このRECONカセット、特に「Alloy ロークロスカセット」で大きくタイムを短縮していただいています。
最大歯数が28や30T。そしてその下に小刻みにギヤーがあると言うのは、コンポメーカーの3枚おき、4枚おきに比べケイデンスを大きく変化させる事がなく大切なペースを乱しません。

欠点は、生産効率の悪さと価格。
一つ作るのにかかる時間を短縮することも出来ず、欠品が続いている商品もあり困っています。
お待ちいただいているお客様、お取引先様にも大変なご迷惑をおかけいたしています。

為替の関係とゴールドカラーをしているとても硬度の高い窒化チタンコートの費用。
量産効果が出にくい部分ですが、多くのご支持をいただくことで、この部分も改善していきたいと常に考えています。
来週は、多くのサイクルショップの方に、このカセットを実際に御覧いただく機会を設けていただきました。
遠くのお客様にも実際にお手にとって見ていただけることになるかもしれませんので、行きつけのお店にご相談いただければ幸いです。

レーシングレシオのカセットが良いのはわかっています。
しかしロークロス、センタークロス、新クロスは、これから多くのサイクリストに欠かせない歯数構成になることでしょう。
どうぞご支持の程、宜しくお願い申し上げます。

ご質問、ご要望はメールかコメント欄へお願いいたします。

長い文章、御覧いただき感謝申し上げます。

P.S
技術屋にとって真似は恥ずべき事です。
売れればそれで良いのか?
パテント、実用新案?
そんなことより、真似することの恥ずかしさはないのか?
EQUINOXの社長、Steve Lee も、TAIPEIショーに出展するも、コピー製品ばかりの氾濫に怒りを通り越して呆れるばかり。ショーの出展も力が入らない。
カタチはまねても、真似のできない仔細な部分もあります。
また、新しいことを考えれば良いし。
T社はセラミックの高品質な製品も扱う業者なのに、取扱商品すべての価格、性能を疑われてしまいます。
そこはユーザーが判断してくれることでしょう。

新年早々愚痴でごめんなさい。