
RTM工法
Resin Transfer Molding
独特の工法で作られるTimeのフレームは、他のカーボンフレームとは全く違う作り方のフレームです。
なぜ、どのように作られ、どうしてそうするのか。
そのメリットは何か。
今回、Time社より来日したシルヴァン・ノバリCEOとエリック・ポワイエに川上が質問。
トップシークレットである製造技術にも踏み込んだお話を伺ってきました。




フレームの作り方です。
まず蝋を溶かして金型に流し込みます。
これが中型になります。
次に靴下のようにカーボンファイバーとベクトラン等の特殊なアラミド繊維を共に編んだチューブ上のものをかぶせます。
外型で周りをくるみ密閉して隙間にレジンを高い圧力で充填していきます。
そして加熱しチューブを整形した後、再度加熱して中の蝋型を溶かして除去します。
このような手間をかけてフレームの元になるチューブが完成します。
同じような工法で、ハンドルバー、ステムも作られています。

複雑な形状も、このような特殊な工法を用いることで作り出すことが出来ます。
平面状のものは従来のフレーム製作工法で作ることは可能ですが、
このように内部に複雑なリブ構造を作り、いろいろな方向の応力がかかるフレームに強度と快適性をもたらす設計を形に出来るRTM工法は、わずかに限られた重量で作る自転車フレームの製作技術としては、最高の手間とコストがかかる方法であり、最高のフレーム製作技術といえるでしょう。
前回ご紹介させていただいたピナレロはカーボン素材として最高峰。
そして今回のTimeは作り方において、そして単にテンシル(糸 フランス製との事です)としてだけではなくベクトラン等の複合繊維を編みこむことで、振動を極力抑えることに成功。
ツールドフランスなどの距離を走るレースが当たり前になってきているからこそ、ライダーに疲労を残さないフレームが重要となってきているのです。
つづく


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