
シマノの展示会を中心に、この日は各社展示会日程をそろえてきています。
北日本東日本だけではなく、いち早く情報を手にしたい業界関係者は、品川周辺に集結しました。
この日ばかりは技術系のオフィース街に、いかにも自転車と言う風体の人が多くみられて、いつもとは違うそれを感じた方もいらっしゃったことでしょう。
シマノの近未来の推奨するロードモデルです。
ディスクブレーキ、Di2を装備したハイエンドバイクはこうなるのですと、示してきた感があります。
ディスクブレーキが解禁されたワールドツアーレースの早々に、落車で脚を大きく切ってしまった絵が世界中に流れ、ディスクローターの危険性を指摘する声が現実となりました。
それでもディスクブレーキを推し進めるシマノは、ローターにこのような放熱を兼ねたカバーを施してきて、より高い安全性を確保しながら進めていくようです。
ローター径は140mmで、現在のッキャリパーブレーキと比例したローターの径になるそうです。
要するにキャリパーブレーキの自転車とディスクブレーキの自転車が混在しても、ブレーキの利きに大きな差が生まれないから安全ですとのアピールでしょう。
私自身は自分一人で乗っていて、ディスクブレーキの良さを楽しむならフロントは160mmにするべきと考えていますが、それも今後主流になるフラットマウント規格なら台座を上下逆に取り付けるだけで、別にアダプターを必要としない設計になっていますから、簡単にローターの径を交換して楽しむことが出来るようになっています。





Di2は新たにバーエンド部分に給電とインジケーターを設置できるようになります。

新たなダイレクトマウントの仕様です。
すでに先日私が取り付けたRD-9100には、アダプターがついていて、外せばこのように取り付けが出来る設計になっています。
今後、フロントシングルになることを見越してか、RDのガイドプーリーとスプロケットの距離がとんでもなく広くなっています。
ちょっと失礼して動かしてみましたが、通常の28Tや今後主流になると考えられる30Tのロー側でも、その間隔は大きく開きます。トップ側に至っては変速が大変そうですけど、おそらく極度にたわみの少ないチェーンを同時に開発しているのだと思います。
古くからの自転車愛好家の皆様にはご理解いただけると思いますが、例えるとCampagnoloの鉄グランスポーツの様です。RD-9100では、ピポット部分にプーリーが来る構造で、従来の変速機よりかなり前に位置します。
それこそシクロランドナーみたいに、チェーンがスロケットを半周完全に回るのです。
これは、スプロケットの歯の摩耗に大きく寄与し、極端に言うと摩耗した歯でも歯飛びが起こらなくなります。
さらに駆動効率が良くなります。
RD-9100を従来フレームに取り付けるときには問題になりませんでしたが、このフレームの様なダイレクトマウントの取り付け方が製品化されると、カセットスプロケットとは今以上に離れてしまいますから、特にトップ側のレスポンスに不安が残ります。
どのようなチェーンを開発できるかが、肝になりそうです。
無理にフロントシングルにすることはしなくていいと、私は考えます。
そのためにシンクロシフトがあるのでしょうし。

そのシンクロシフト。
Di2での操作の場合、従来の左右別の変速機を自分で操作前後の変速機を自動で動かし選択して変速してくれるシステムです。
この場合、注意したいのが、例えば50x25Tと34x17Tは同じ2:1ギヤー比になりますよね。
こんな組み合わせを自分の自転車に使うとその分損すると言う事になります。
昔のお話をちょっといたしますと、昔は自転車店の店舗の中に、後ろの小さなスプロケットと中心の駆動部分が別に販売されていて、必要なギアーを申告するとその場で組んでくれたのです。
もちろん箱入りのモノもありましたが、ギヤーテーブルを自分で書いて、わずか5段しかない後ろのスプロケットを最大限活かすために同じギヤー比を持つ組み合わせなどもったいなくて使えなかったのです。
当時主流は52x42T ボスですから最小歯数は13T。大体14-24Tぐらいを皆さん付けていました。
そのために奇数の歯を使ったりして、平均に変速できるようにみんな考えて乗っていたのです。
それから約40年。今では電動メカがそれをやってくれるのです。
夢の様な時代になりましたね。

ST-9000とST-9100ではレバー本体の長さが長くなっています。
油圧シリンダーを内包したレバーと、メカ式のブレーキレバーと共通の長さにすることが課題だったようで、その分レバーの形状が大きく変わっています。
相変わらず手の小さな女性の意見は取り入れてもらえないのか、調整にヒトひねりしないと、弊社のお客様の女性陣にはご満足いただけそうにありません。
今後ULTEGRAや105お追従していくと思われますので、実際に取り付けて各社ハンドルとの具合を見ながら、もみじのような愛らしい手のひらに合うよう、調整できるようにしておきたいと思っています。

クランクの変化です。
駆動方向に比較的弱い部分を見つけて、それを補強する意味で形状を変更しているそうです。
クランクとBBで-7gだそうです。


ご質問の多いパワーメーターセンサー内蔵クランクです。
品番はFC-R9100P +70gだそうです。
バッテリーも内蔵していて、充電して使うようですが、バッテリーの交換は? わかりませんでした。
パワー、左右差は計測できると思いますが、GARMIN POLAR パイオニアのようにペダルに掛かる力の方向を示すベクトルを見ることはできるのでしょうか?
質問して来ればよかったと反省しています。




28mm幅になる9100シリーズのカーボンホィールです。
リム高さを40mmと60mmに集約して製品展開数を減らしています。
その分、ディスクブレーキ対応ホィールが増えています。
装着できるタイヤは25以上になり、28mmが主になりそうです。
こうなってきますと従来のフレームで使えるものがなくなってきてしまいます。
今、気が付きましたが、シマノはホィールをMTBでは対応しているのにロードホィールで11速に対応しなかった事。そしてディスクブレーキを強く推し進めていること。
ホィール幅を大きく変えたこと。
すなわちトップエンドのモデルを購入できる人には買い替えを即しているように思えてきました。
そしてじわじわとすべてのモデルに広げていくのでしょう。
でも、心配はいりません。
いつまで頑張れるか、部品がある限り昔からのスチール、クロモリフレームを楽しんでいただけるように、ライトサイクルは技術を惜しみなく提供できますし、なくなれば作ってしまうこともできます。
その反面、新しい技術にも貪欲で、ディスクブレーキの素晴らしさを、ロード用のブレーキがシマノから発売された当初より使ってきています。
今回、チタンフレームにフラットマウント対応のフレームラインナップを増やすことが出来ました。
明日、早速シェイクダウンテストを試みますが、オーダーメイドでディスクフレームを作る事が出来るようになりました。
時代の流れですので、皆様にもご意見は多くおありでしょうが、これは良くてこれは悪いのではなく、今後どうなっていくかをいち早く知ることで、お客様に最上のメインテナンスと無駄のない商品選びが出来ることにつながります。
シマノは電動スポーツ車も作ってきています。
生涯、快適に自転車を楽しめる機材の開発にも投資してきていますので、今後ガラパゴス状態の電動アシスト自転車の規格も国際化して、質の良いスポーツ電動車が走り始めることでしょう。
多くの選択肢の中から、うまく商品を選んで、楽しいサイクリングライフをお続けいただければと思いますし、そのための助力は精一杯させていただきます。
載せきれない画像は、アルバムに収めておきますので、どうぞご覧ください。
ありがとうございます。

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余談。
今年は特に新型デュラエース9100シリーズが発売されるとアナウンスがありましたので、各店舗多くの人がセミナーの会場に集まりました。
しかし、残念なことに製品概要だけの説明で、取り付け、調整に関する説明はありませんでした。
確かにほとんどの店舗が9100シリーズを入手するのは10月下旬の入荷を待たねばなりませんが、この段階で説明がないと取り付け方が大きく変わったFDなどはトラブルが起こると感じました。
実際、ライトサイクルでもそうであるように、完成車に装着されて9100シリーズは先に入荷してきます。
私自身、マニュアルを松原君にダウンロードしてもらいながら、設計者の立場に立って考え時間をかけて紐解き取り付け、調整をいたしました。
FDのワイヤー調整構造、アームの構造変更で、今後はセッティング工具を必要としませが、この構造は複雑ですけど今後アルテグラや105に引き継がれていく重要なポイントと感じました。
ダイレクトマウントフレームへの対応も、これからでしょう。
ディスクブレーキ、Di2を装備したハイエンドバイクはこうなるのですと、示してきた感があります。
ディスクブレーキが解禁されたワールドツアーレースの早々に、落車で脚を大きく切ってしまった絵が世界中に流れ、ディスクローターの危険性を指摘する声が現実となりました。
それでもディスクブレーキを推し進めるシマノは、ローターにこのような放熱を兼ねたカバーを施してきて、より高い安全性を確保しながら進めていくようです。
ローター径は140mmで、現在のッキャリパーブレーキと比例したローターの径になるそうです。
要するにキャリパーブレーキの自転車とディスクブレーキの自転車が混在しても、ブレーキの利きに大きな差が生まれないから安全ですとのアピールでしょう。
私自身は自分一人で乗っていて、ディスクブレーキの良さを楽しむならフロントは160mmにするべきと考えていますが、それも今後主流になるフラットマウント規格なら台座を上下逆に取り付けるだけで、別にアダプターを必要としない設計になっていますから、簡単にローターの径を交換して楽しむことが出来るようになっています。





Di2は新たにバーエンド部分に給電とインジケーターを設置できるようになります。

新たなダイレクトマウントの仕様です。
すでに先日私が取り付けたRD-9100には、アダプターがついていて、外せばこのように取り付けが出来る設計になっています。
今後、フロントシングルになることを見越してか、RDのガイドプーリーとスプロケットの距離がとんでもなく広くなっています。
ちょっと失礼して動かしてみましたが、通常の28Tや今後主流になると考えられる30Tのロー側でも、その間隔は大きく開きます。トップ側に至っては変速が大変そうですけど、おそらく極度にたわみの少ないチェーンを同時に開発しているのだと思います。
古くからの自転車愛好家の皆様にはご理解いただけると思いますが、例えるとCampagnoloの鉄グランスポーツの様です。RD-9100では、ピポット部分にプーリーが来る構造で、従来の変速機よりかなり前に位置します。
それこそシクロランドナーみたいに、チェーンがスロケットを半周完全に回るのです。
これは、スプロケットの歯の摩耗に大きく寄与し、極端に言うと摩耗した歯でも歯飛びが起こらなくなります。
さらに駆動効率が良くなります。
RD-9100を従来フレームに取り付けるときには問題になりませんでしたが、このフレームの様なダイレクトマウントの取り付け方が製品化されると、カセットスプロケットとは今以上に離れてしまいますから、特にトップ側のレスポンスに不安が残ります。
どのようなチェーンを開発できるかが、肝になりそうです。
無理にフロントシングルにすることはしなくていいと、私は考えます。
そのためにシンクロシフトがあるのでしょうし。

そのシンクロシフト。
Di2での操作の場合、従来の左右別の変速機を自分で操作前後の変速機を自動で動かし選択して変速してくれるシステムです。
この場合、注意したいのが、例えば50x25Tと34x17Tは同じ2:1ギヤー比になりますよね。
こんな組み合わせを自分の自転車に使うとその分損すると言う事になります。
昔のお話をちょっといたしますと、昔は自転車店の店舗の中に、後ろの小さなスプロケットと中心の駆動部分が別に販売されていて、必要なギアーを申告するとその場で組んでくれたのです。
もちろん箱入りのモノもありましたが、ギヤーテーブルを自分で書いて、わずか5段しかない後ろのスプロケットを最大限活かすために同じギヤー比を持つ組み合わせなどもったいなくて使えなかったのです。
当時主流は52x42T ボスですから最小歯数は13T。大体14-24Tぐらいを皆さん付けていました。
そのために奇数の歯を使ったりして、平均に変速できるようにみんな考えて乗っていたのです。
それから約40年。今では電動メカがそれをやってくれるのです。
夢の様な時代になりましたね。

ST-9000とST-9100ではレバー本体の長さが長くなっています。
油圧シリンダーを内包したレバーと、メカ式のブレーキレバーと共通の長さにすることが課題だったようで、その分レバーの形状が大きく変わっています。
相変わらず手の小さな女性の意見は取り入れてもらえないのか、調整にヒトひねりしないと、弊社のお客様の女性陣にはご満足いただけそうにありません。
今後ULTEGRAや105お追従していくと思われますので、実際に取り付けて各社ハンドルとの具合を見ながら、もみじのような愛らしい手のひらに合うよう、調整できるようにしておきたいと思っています。

クランクの変化です。
駆動方向に比較的弱い部分を見つけて、それを補強する意味で形状を変更しているそうです。
クランクとBBで-7gだそうです。


ご質問の多いパワーメーターセンサー内蔵クランクです。
品番はFC-R9100P +70gだそうです。
バッテリーも内蔵していて、充電して使うようですが、バッテリーの交換は? わかりませんでした。
パワー、左右差は計測できると思いますが、GARMIN POLAR パイオニアのようにペダルに掛かる力の方向を示すベクトルを見ることはできるのでしょうか?
質問して来ればよかったと反省しています。




28mm幅になる9100シリーズのカーボンホィールです。
リム高さを40mmと60mmに集約して製品展開数を減らしています。
その分、ディスクブレーキ対応ホィールが増えています。
装着できるタイヤは25以上になり、28mmが主になりそうです。
こうなってきますと従来のフレームで使えるものがなくなってきてしまいます。
今、気が付きましたが、シマノはホィールをMTBでは対応しているのにロードホィールで11速に対応しなかった事。そしてディスクブレーキを強く推し進めていること。
ホィール幅を大きく変えたこと。
すなわちトップエンドのモデルを購入できる人には買い替えを即しているように思えてきました。
そしてじわじわとすべてのモデルに広げていくのでしょう。
でも、心配はいりません。
いつまで頑張れるか、部品がある限り昔からのスチール、クロモリフレームを楽しんでいただけるように、ライトサイクルは技術を惜しみなく提供できますし、なくなれば作ってしまうこともできます。
その反面、新しい技術にも貪欲で、ディスクブレーキの素晴らしさを、ロード用のブレーキがシマノから発売された当初より使ってきています。
今回、チタンフレームにフラットマウント対応のフレームラインナップを増やすことが出来ました。
明日、早速シェイクダウンテストを試みますが、オーダーメイドでディスクフレームを作る事が出来るようになりました。
時代の流れですので、皆様にもご意見は多くおありでしょうが、これは良くてこれは悪いのではなく、今後どうなっていくかをいち早く知ることで、お客様に最上のメインテナンスと無駄のない商品選びが出来ることにつながります。
シマノは電動スポーツ車も作ってきています。
生涯、快適に自転車を楽しめる機材の開発にも投資してきていますので、今後ガラパゴス状態の電動アシスト自転車の規格も国際化して、質の良いスポーツ電動車が走り始めることでしょう。
多くの選択肢の中から、うまく商品を選んで、楽しいサイクリングライフをお続けいただければと思いますし、そのための助力は精一杯させていただきます。
載せきれない画像は、アルバムに収めておきますので、どうぞご覧ください。
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余談。
今年は特に新型デュラエース9100シリーズが発売されるとアナウンスがありましたので、各店舗多くの人がセミナーの会場に集まりました。
しかし、残念なことに製品概要だけの説明で、取り付け、調整に関する説明はありませんでした。
確かにほとんどの店舗が9100シリーズを入手するのは10月下旬の入荷を待たねばなりませんが、この段階で説明がないと取り付け方が大きく変わったFDなどはトラブルが起こると感じました。
実際、ライトサイクルでもそうであるように、完成車に装着されて9100シリーズは先に入荷してきます。
私自身、マニュアルを松原君にダウンロードしてもらいながら、設計者の立場に立って考え時間をかけて紐解き取り付け、調整をいたしました。
FDのワイヤー調整構造、アームの構造変更で、今後はセッティング工具を必要としませが、この構造は複雑ですけど今後アルテグラや105に引き継がれていく重要なポイントと感じました。
ダイレクトマウントフレームへの対応も、これからでしょう。