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往年の50年代からののフレームビルダーが、チネリを意識しなかったということはなかったはずです。
元々力士で体重もあり力はあり余るほどの自転車好き、力道山がヨーロッパからCINELLIを持ち帰ったのは有名な話。
多くのビルダーが塗装をはがしてまでその強靭な作り方を研究しました。
神話は数知れず。
可鍛鋳鉄製のハンガーシェル。
ロストワックスの美しいイタリアンカットラグ。
吸い込まれるように美しいクローム鍍金。
長い時代に作られてきていて、チューブ材料、微細なブリッジパーツの変更はありますが、現在も作り続けていることは自転車界のひとつの奇跡と言えると思います。

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創業者は自転車選手だったチーノ・チネリ Cino Cinelli。

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Gruppo Sri。グルッポ・コロンボの副社長 FABRIZIO AGHITOが、この日はチネリの歴史。
チーノ・チネリとはどんな人なのか。
チューブメーカーのコロンバス。
HOBOを実践するブートレグについて。
最後は鋼材を作るもとの工程からのビデオまで、13:30から3時間30分以上も。
彼は20年間チネリにいます。
元々はチューブメーカーのコロンバスで仕事をしていた方です。

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チネリといえば同じグループ会社の製品であるコロンバス製のチューブを用いていることが最大の特徴です。
これはカーボンフレームについても同じです。

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スーパーコルサです。
使用チューブはコロンバスの最上級チューブであるSL。
トップチューブは最も細い1インチ(25.4mm)の伝統的なフレームです。
使用ラグは、チネリ刻印の入ったイタリアンカットラグ。
ハンガーシェルもエアロフィン付きの伝統的な可鍛鋳鉄製です。
伝統的な、クラッシックなフレームではありますが、70年代以降の設計ですからそれこそマッドガードが入るようなオールドチネリのような設計ではなく最もスパルタンな設計値のフレームですから、その気になればレースでも活躍できるポテンシャルを秘めています。
イタリアでハンドメイドされる現在のチネリフレームのうちのひとつです。

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ピンクカラーは限定色。
まだオーダーは可能とのことです。

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Nemo Tig です。
展示してあって移動を遠慮したので、写真が斜めでごめんなさい。
微妙な美しい色をお知らせしたくて、ホワイトバランスに気を付けて、川上が撮りました。
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チェーンステーのつぶし加工の鋭さに、思わずため息。
自転車を知っているチネリが、コロンバスに特注したチューブだからなせる業です。

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マニアがこだわるシートピン位置。集合ステーの美しさ。ヘッド周り、ハンガーシェルの溶接。
見事というほかありません。
2016カタログから登場したこのNemo Tig。
2016価格は29万円でしたが、2017価格はなんと5万円もダウンの24万円。
カラーラインアップな変わらず、単に価格だけの変更です。
今回、FABRIZIOから飛び出したのは、スミズーラ。そうです。フルオーダーです。
なんと、彼がこの会場でジオメトリー(スケルトン)をフルオーダーできると言い出したのです。
ポディウム担当者も聞いていないとの事でした。
アップチャージがかかるのか?それはいくらか? 納期は気になりませんが、これは楽しくなってきました。

このフレームは、スチールフレーム独特のソフトな感じを楽しんでいただきながら、走るところを選ばない。
逆に目的に合わせてフルオーダーすることも可能です。
ぜひどのように使いたいかを、私に沢山お話しください。
チタンフレームなどと同じように、フルオーダーのスケルトンを最適な数値に決めてオーダーさせていただきます。
スケルトンがお分かりの方なら、もちろん数値を簡単に書いてお持ちいただければ、ライトサイクルからオーダーいたします。
Nemo Tig自分でも欲しい一台です。

余談
Tig溶接とは、チタン、ステンレス、スチール鋼フレームの接合技術としては、最も強度に優れる溶接手法です。
溶接トーチの先から大量のアルゴンガスを噴射し、大気を完全に遮断して行われる溶接で、溶接温度の高さは充分母材を溶融させることができ母材同士が(ここではフレームチューブ)溶けて接合するのです。
大気を遮断しますので、大気中の酸素、水素そしてその金属組成に変化が非常に少なく、最も強度に優れる工法です。

往年の50年代からののフレームビルダーが、チネリを意識しなかったということはなかったはずです。
元々力士で体重もあり力はあり余るほどの自転車好き、力道山がヨーロッパからCINELLIを持ち帰ったのは有名な話。
多くのビルダーが塗装をはがしてまでその強靭な作り方を研究しました。
神話は数知れず。
可鍛鋳鉄製のハンガーシェル。
ロストワックスの美しいイタリアンカットラグ。
吸い込まれるように美しいクローム鍍金。
長い時代に作られてきていて、チューブ材料、微細なブリッジパーツの変更はありますが、現在も作り続けていることは自転車界のひとつの奇跡と言えると思います。

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チーノ・チネリの時代。
特にすごかったのが1970年代前後。
彼は選手であって、自転車機材に、機材を使う自転車レースということに着目。
勝つために必要な機材を開発。ミラノという地は、それを支える多くの優れた技術者と工場が揃っていたということ。
偉大な業績を残した彼には遥か及びもしませんが、私も同じようなことを常に考えています。
私たちライトサイクルに協力してくれる工場や会社は国内外に沢山そろっています。
今回のプレゼンテーションを拝聴して、震えがくるような感覚を覚えたのはそのためでした。

イタリアのハンドメイドで、さらにフルオーダーできるフレームが、また一つ増えたと思えた、青山でのイベントでした。

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