サイクルパーツ合同展示会でのこと。
世田谷に昔からある「長谷川自転車商会」
店主の長谷川 弘様がブースに来ていただき、いきなり「重くなければだめなんだと」。
そう言われて、すぐに立ち去ってしまわれました。
重いと駅で担いで歩くのに大変ではないですかと伺うと、ころがしゃいいんだ!

私は自転車は出来るだけ軽く快適に作って、出来るだけサイクリストの負担を軽減し楽しめたらと考えていただけに、「え」***
私はしばらく何が起きたのか理解できず???
落ち着いてその理由を伺おうと、氏の後を追いかけてお話を伺いたいと。
それならお話いたしましょう。と。
ライトサイクルのブースにそれこそ失礼ですけど連れ戻して、お話を伺いました。
それはそれは長い間、講義を聞くように私と川上は直立。
要点は、忠告を聞かず以前017でランドナーを作ったお客様がいたが、案の定フレームが折れた。
フレーム職人は022や024でしかランドナーを作らない方もいること。
東北のダートを本格的に走るサイクリストは、頑丈なフレームが必要であること。

実は恐縮な事に、そして嬉しいことに、サイクルスポーツなどでライトサイクルのチタンツーリングは、ご覧いただいていたのだそうです。
長谷川さんに気になっていただいている事だけでもスゴイことです。

別に高知のヤマネ様。
四国お遍路をツーリング車でされる方が、ちょうど半分ぐらいの高知へ来て、スポークが折れるのだそうです。
年に何台かはそんな修理があるとのこと。
荷物を積んだツーリング車に完成車輪の28Hぐらいではもたないのだそうです。
14番 36H で手組で積載重量を考えて作りたいですね。

私は考えました。
壊れないフレームを今後とも作っていくこと。
お隣のTUBASAさんが、私にお話していただいたように、STIレバーでもツーリング車が作れることが、古きを理解しより新しいものに変えていく。
より快適により安全により軽快に作ることは、次世代のランドナーとして必要なこと。
こんなことを。

シクロランドナーを組み込んだRene Herseは憧れであり、古典絵画のよう。
乗って愉しめるが、楽しめない。

鳥山新一氏がバイコロビクスを提唱し、サイクリングブームが起きた70年代。
フランスを中心としたヨーロッパから入ってくるサイクリング車。
それを日本の国土や風土に合うよう、また日本の感覚でオーダーする側と、その要望に答えるフレーム職人との研ぎ澄まされた申し合い。
その集大成とも言える本が、ニューサイクリングからスペシャルメイドサイクル総覧としても79年発売されました。この本はライトサイクルにもあり、私のバイブルのような本です。

例えばダイナモを起倒するためのレバーがフレームに直接付いていたり。
もちろん電気配線は全てフレームとキャリア、そして細いキャリアチューブの中を通り、全く外からは見えません。
FDは羽まで手作り。
凝ったラグの削りまで手の込んだものです。
組み立てのパーツにもこだわりが。
そんな時代をリアルに経験してきたので、私は理解できます。

その時代のものをもう一度再現するのは、長谷川さんなどのお仕事。
私も出来なくはありませんが、その間の進化をうまく取り入れより実用性を高めたものを昔のテイストを残して作って行きたいと思いました。
それもお客様の御意向次第。
昨日もチタンの650Cのスポルティーフを組む作業をしていましたが、先達の皆様に恥ずかしい仕事はしていません。

来週は、ようやく届いたTOEIのランドナーを組み立てます。
同じ組立作業でも、組む人の感性が大きく左右される仕事です。
細部までこだわり、より良い仕事でお客様にご満足いただけるように頑張ります。

ビンテージ専門ライトサイクル。ハイエンドカーボンロード専門ライトサイクル。ホィール組専門ライトサイクル。オーダーメイド専門ライトサイクル等、全てが専門といえる技術、見識、商品知識。
今日は花曇のようなお天気からスタートですが、暖かくなりそうです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。



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