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2017新年早々ピナレロからF10が発表されました。
昨日、成田市フレンドリーパークのコースで、ピナレロジャパンの試乗会があり、お招きいただき参加してきました。

DOGMA F8 Xlightが、昨年デビューして12月ごろ納品が始まったばかりです。
F8との違いは。
F10はどうなのか。
ピナレロのフラッグシップを求める方には、多くの疑問がおありかと思います。
この疑問点。他社フレームとの違い。
乗車フィーリングをお伝えさせていただきます。
最初にお断りさせていただくのは、テストライダーである私は、このピナレロも含め、多くの製品をこれまで実際に製造現場を見たりしていますので、構造的なこと。デザイン等には少し詳しいと思います。が、世界最高峰レースを戦っているわけではありませんので、頂点のレベルにあるF10をご紹介できる運動レベルには到底ありませんが、週末ちょっと乗るにはどうなの?というレベルの視点からはご参考になるかと思います。

まずはDOGMA F10をご覧ください。
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カラーナンバー167 BLACKLAVA

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いかにもピナレロというカタチは大きく変わりませんが、細かくシェイプされたボディはF8に比べて20%空気抵抗を減じているとのことです。
フロントフォーク、ダウンチューブなどフラットバックというサーベロのスクオーバルみたいな後部を切り落とした翼断面です。
この形状は一般に後部で起きる過流が発生しやすく、これが抵抗になるケースが多いのですが、具体的な数値を表記していますので、風洞試験、コンピューターシュミレーション等で実際に確認されたされた数値であると思います。
現在の高速化された自転車レースでは、下りの速度差で勝負がつくケースがあり、プロ仕様であるDOGMAではわずかでも空気抵抗を減らす設計はうなずけます。
この考えはフロントフォークのドロップアウト部分後部に設けられたフィン形状の張り出しにもうかがえます。これをピナレロはフォークフラップ(PINARELLO ForkFlap)と命名しています。
一般に丸い形状が各方向からの応力に重両面で有利なのですが、素材の強度が充分すぎるほど強いので形状を空気抵抗の減少に回すことが出来ているのでしょう。
実際、踏んだ時の反応、ねじれ剛性は過去に試乗したどのモデルよりも強く感じました。
おそらくスティフィネス数値は最高レベルにあると思われます。
フロントフォークもこの日同時に試乗したDOGMA F8 GAN RSとも素晴らしい剛性です。
プロフェッショナルのゴールスプリントも軽くこなす強さなのでしょう。
過去にスプリンターのロビーマキュアンが、乗っていたリドレーのフォーク剛性が足りず、他社製を使っていた有名な話がありますが、このDOGMA F10のフォークは素晴らしい剛性です。
私が試した範囲(ライトサイクル扱い商品)ですが、近いフィーリングのフォークはDeRosa PROTOS アンカーRS9 YONEX HRになるでしょうか。

DOGMA F10はスラムe-Tapにも完全対応しています。
これは先に組んだYONEXで気が付いたことなのですが、各コンポーネントが無線でリンケージされるため、ケーブル、バッテリーの必要がありません。そのためフレームに穴は必要ないのですが、このDOGMA F10に一部組まれたe-Tapでは、ホールプラグに穴のないものがあります。
YONEXではわざわざ穴なしのホールプラグをメーカーに送っていただき組みましたが、この細かい配慮はユーザーにとってうれしい事でしょう。
私たちも無意味に穴が開いた状態は何とかしなくてはと組む時に穴をどうしようか考えてしまうからです。
このDOGMA F10でもBBはITA規格のスレッド式を採用しています。

Dream Carbon ドリームカーボンと名付けたTORAYCA T1100-1K。
剛性を犠牲にせず軽量化。そして空気抵抗のさらなる現象。
重量では-6.5% DOGMA F8よりッ軽量化され530サイズの.塗装前重量は820gだそうです。
剛性比は7.1%増とのことです。
BBを中心にASYMMETRIC比は16%クランク側に設定しています。

対応タイヤサイズは700x25Cです。
FROOMEYと称されるサイのイラストがあしらわれたデザインモデル。
他TeamSkyカラー。
イタリアモデルらしいロッソコルサともいえるREDMAGMA。
ピナレロで感じるのは、まるでスチールフレームのような多彩なサイズ展開。
また多くのカラーが選択でき、至高のモデルにふさわしいコストのかけようです。
選ばれてオーナーになる方の満足度は、非常に高いでしょう。
DOGMA F10は、フレーム販売のほか、9100 Di2完成車がご案内されていますが、メカニカルの完成車もご用意されるそうです。どうぞお気軽にご相談ください。

早くもHPにはDOGMA F10の情報がアップされています。
どうぞこちらも合わせてご覧ください。

また店内にご覧いただく資料をご用意させていただきます。
説明で印象的だったのは、PINARELLOは最高級モデルのセールスが一番多いブランドなのだそうです。
よく言われるのが、こんなハイスペックのロードバイクを扱えるのか。
大丈夫です。私でも楽々乗れますから。性能を100%出し切れるのは、ツールドフランスで表彰台に上がるごく一部の選手だけです。

さて試乗です。
一周1.5kmのコースを3周ずつ試乗いたしました。
試乗順はDOGMA F10-F8-DOGMA K8s-GAN RSです。
DOGMA F10は申し分ない加速感。ハンドリング。このコースを走ったことがある方はご存知でしょう。少しだけの登りと下り勾配だけで設定されています。従いまして高速コース。
アウトとインを使い、下り勾配をうまく使うとスピードに乗った走りが楽しめます。
ライトサイクルでも以前お客様と走りに行って、いろいろな自転車を同じ条件で試したことがありますが、テスト条件としては良い環境だと思います。
F10で気になった点は個体差かフォークが鳴ります。
良くリムの高いカーボンホィールを装着すると音が出ますが、同じような音が小さいですけどフォークから音がします。
ベアリングがダメな時も同様に鳴りますので、走行後ホィールを確認したところベアリングは非常にスムーズで問題ありませんでした。
DOGMA F8では音鳴りがありませんでしたので、個体差かもしれません。

F8もよくできたフレームとすぐに感じます。
ジオメトリーはF10と私のサイズは全く一緒です。
シートアングル73.7度 ヘッドアングル72度 フォークオフセット43mm リヤーセンター406mm。
ヘッドアングルとオフセットの43mmがハンドリングが高速設定である事を示しています。
レースでスプリントされる方には、シートアングルが75度に近くリヤーセンターが403mmぐらいが良いかなと思いますが、これは好みの問題でもあります。
ハンガー下がりは72mmでイタリアのレーシングモデルであることを示していると感じます。
ブレーキング、高速時のハンドリングは最高のレベルです。
私には、登りの時のしなりがほしい。
ちょっと重めのギヤーでしならせて登るような走りは受け付けてくれない印象です。が、これはF10も同じです。

DOGMA K8-s。
これが非常に乗りやすく感じました。
乗車前、体重をサドルにかけるとちゃんと小さなショックアブソバーが動くのです。
Oリングが入っていますので、実際にどのくらい動くか乗車後目視で確認できました。
わざと路面の荒れたところを走って試しましたが、こrは非常に快適です。
反面フロントからくる振動が際立ってきてしまいますので、ハンドル周りに一工夫すると素晴らしいロングライドバイクになると思います。
ヨーロッパで流行しているグランフォンドには最高のバイクでしょう。
積極的に体をいたわる設計で、Timeのアクティブ.フォークなどと同じ考え方です。

GAN RS。
これも良いフレームです。
リヤーセンターが私の好みより長くて408mmもあります。
微振動は細かく感じますので、お勧めするお客様に迷いますが、ハイペースで100km-150kmぐらいを頻繁に走る方。峠の走りを楽しむライダーには良い選択でしょう。

ピナレロは総じてクラッシックデザインのようなトップチューブがホリゾンタルに近いフレーム形状です。そのためクロモリフレームのように多くのサイズを用意していますが、どうしても身長、股下でサイズを正確に測らねばなりません。
また、このようにサイズを選んだとしても、トップチューブを跨いだ状態で、お股にフレームがかすかに当たるという事が起きるでしょう。
この点はどうぞご留意ください。

朝冷え込んでいましたが、おおむね暖かい陽気で楽しく試乗が出来ました。
ピナレロジャパンの皆様も、多くの機材、試乗車を堺から運んでこられて大変だったと思います。
昼ごはんにいただいたお弁当も、青山のお店の仕出し弁当。
多くのDOGMA F10を高価なパーツで組んで試乗に供していること。
そのすべてが一流であり、最高のおもてなしでした。
ご招待いただき感謝申し上げます。

当日は多くの有名店の皆様が、ご試乗されていました。
アウェイな感じが否めませんが、じっくりとDOGMA F10を見てきたつもりです。

レースで成績を残したい。
ガンガン走るためのマシンとして、PINARELLOはライトサイクルの扱うブランドの中でも、特別なブランドであることには間違いありません。

長い書き込みにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。



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