
土曜日、日曜日の両日、東京北の丸にある科学技術館に、オリジナリティを求める多くのサイクリストが展示会を訪問しました。
株式会社ライトサイクルも、例年通り出展させていただきました。


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今年は出展位置が入口のすぐのところ。
出展される企業も増えてきて、昨年よりも一部屋増えました。
最初はお隣のブース、Grand Biosさんのブースです。
フランスで昨年開催されたコンクール・ドゥ・マシンにご自身が参加され、趣旨が軽量と走ることを目的としたコンクールですので、自ら製作、組み立てた自転車には極限まで軽量化を施しています。
その一助に弊社のRECONカセットスプロケットが使われました。






















ケルビムのロードフレームです。確実な作りできれいです。






東叡社。誰もが知るツーリング車の総本山。
このグリーンの自転車は浅間山麓、小諸にある浅麓堂のご主人、中堀さんのオーダー車です。
この細すぎるクランクについ目が行ってしまいます。
ご自身のオーダーコンセプトは、フロントフェンダーの先っちょにちょこっと乗ったJOSのヘッドランプを活かした、ちょどいい大きさに見える自転車を作りたかったのだそうです。
ブレーキのワイヤーを分ける部品を千鳥と言いますが、まさに千鳥の形にアルミを切り抜いて磨き上げた逸品が、とても素晴らしいです。


SWのマークと言えば私たち世代はスミス&ウェッソンでもありますが、自転車世界では凝りに凝ったツーリング車を作る渡辺捷治製作所です。

MTB界のレジェンドともいうべき今泉さんのワークショップ モンキーです。
高田馬場にお店がある、今はなきすぐ隣のTop靴店で登山靴をオーダーしたことがあります。

不肖私と、コロンブス社のカッチャさんです。
以前、このショーでSLXの復活をお願いしたところ、既報の通り見事に再生産してくれました。
今回のショーでは、コロンブスチューブを使用したフレームにコロンブスロゴの取り付けをして回っていましたが、勿論ライトサイクルが展示するSLX NEWを採用している バッタリン 1987にもロゴを取り付けていただきました。

バッタリンも採用するHSSの構成図です。





バイシクルクラブの編集者でありながら、趣味が高じて工房を構え、フレームを製作している友廣さんの作品です。
日工のプレス引き抜きラグを用いてその長さを活かしたハンドカットラグ。
エンドをそれこそLEVELのようなしのぎ(刀の峰のような)に仕上げています。
ほかにも意欲的なTTフレームなど、若い感性と研ぎ澄まされたデザイン感覚が、今後さらに昇華していくことでしょう。私は彼の毎年の進化を楽しみにしています。


その日工のラグがこちらです。従来のロストワックスラグではある程度厚さがないと火をかけて割れてしまうことがあるのですが、これは最初から薄くできています。
ビルダーが薄いラグを表現するためにはチューブを溶接してラグまで製作していたのを考えると、このラグのありがたさが理解できます。
ハンドカットでどのような形にもできるのがこの手のラグの利点で、私も昔、授業中にいつか自分の自転車に使うんだとラグのデザインをしていたことがあります。

本所の泥除けステー留めです。






このフランススタイルのフロントバックは2万円とのこと。
今、私もアイディアでフロントバックの試作をお願いしています。
特別に見せていただきましたが、良い感じでした。
洗練された自転車とサイクリングバックを作る山音製輪所です。


BIXXISのチタンフレームです。
3年前からドリアーノ・デローザが独立して工房を構えています。
サイズ、カラーはオーダーできます。
どうぞご注文ください。


パナソニックの自転車です。
POS課にキーマンである金森さんが帰ってきて、何をしてくれるのか、どんな自転車を企画してくるのか楽しみです。
ライトサイクルでもパナソニックのPOSを販売しています。


アマンダの確か桜の木のホィールです。
内部にはカーボンをラミネートしていました。
千葉さんには、仕事で困ると電話で相談したりと昔から大恩人です。
自転車チューブを作る石渡製作所にいらした方で、当時のニューサイクリングに掲載されたインタビュー記事などを食い入るように見ていたのを思い出します。
スチール全盛の時にカーボンを自転車素材として早くから見出してしていました。
木のリムは、アルミに素材が変わる以前、リム材として使われていました。
このホィールも独自の理論で、御作りになっているのでしょう。
確かにスポークで張力をかけて形成する車輪より構造的に変形が少ないこの構造には大きな利点があると感じます。
MAVIC R-SYSや、EQUINOX ミラクルも同じ考え方です。


桜台にある高村製作所のラバネロです。
チームスミタラバネロパールイズミの名称は、少し前にジャパンカップなど国内レースで飯島誠選手をエースに大活躍していたレーシングチームです。
レースに直結した理論に元ずくフレーム作りは多くのレーサーを魅了し続けます。




ヤナギサイクル 飯泉さんです。
とにかく走るビルダーさんです。
高身長で、ライトサイクルにお越しいただいたときは、入口に頭がぶつかるかと思いました。
ほんとに好青年。ツーリングというよりヘビーデューティーな自転車の製作を得意としていますが、ロードレーサーもツーリング車も美しく手掛けます。


GOKISO 名古屋の御器所にあるからゴキソ。
もったいないくらいベアリングが並んでいます。

SOYOのラテックスチューブです。
島根の工場にお招きをいただいておきながら、なかなか工場訪問が実現しません。
春になったらぜひ行ってみたいと考えています。
石見銀山、SL山口号、しまなみ海道、道後温泉。欲張りすぎですね。





なぜかチタンのピッケルまで。
ウェルドワンの小西さんはチタンを自在に扱う名手です。




LEVELの松田さんのお仕事です。



うっとりするような仕上げの美しさです。
カットモデルではチューブの内部を見ることができるのですが、ハンガー内部など見えない部分が美しいんです。
強度と精度へのこだわり。素晴らしいです。


日東の社長、吉川さんです。
いつも何でも教えてくれる良い人です。

ケルビムのシートステーです。
こんな工作を考え出すセンスがすごいです。
というわけで、ハンドメイドバイシクル展、お楽しみいただけましたでしょうか。
私もブースでお話を伺っていると、皆様の現状のご不満、量産品とは違う世界へのあこがれ。
何が良くて何が良くないのか?
素材、工作など。
また機械加工をお仕事でされている方も多く、技術的なご質問やご意見を多く伺うことができました。
まだまだ知らないことも、勉強しなければならないことも沢山見出すことができた貴重な機会でもありました。
弊社のチタンフレームは今年も多くの方にご興味をいただき、ご試乗のご希望も多く伺いました。
いつも一台は置いてあるツーリング車が今回展示していないんですねとか。
むむ。
オーダーでおつくりしているので、ショーモデルを作る余裕もなくいつもはお客様にお借りしていたりするのです。
シクロクロス、小径車、ビンテージスタイルなど多くのご要望をいただきました。
感謝申し上げます。
バッタリンの1987も多くの方に見ていただくことができてよかったです。
本当はバッタリンからはもう一車種ご用意できるはずだったのですが、塗装が間に合わず没となってしまいました。
これはまた来年のお楽しみということで。
または、ライトサイクルでご覧いただくことといたしましょう。
お寒い中、多くの皆様のご来場を賜りまして、誠にありがとうございました。
出展の機会を与えていただいた関係者の皆様にも厚く御礼も申し上げます。
ありがとうございました。