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いつもご覧いただき、ありがとうございます。
店主の高橋です。
今日は、STIの分解について、昨晩修理した手順の覚書という意味でも記してみたいと思います。
レバー側に巻き取りシステムを備えたほとんどのSTIは同じい構造です。
昨日の作業です。
SORAの左STIトリプル。動きが重いとのご依頼でした。動作確認しますと巻き取りはしますけどたしかに重い。
FDのワイヤー取り付け部でワイヤーが解けてきれてしまっていること。
ワイヤーの取り付け方も間違っていて、ワイヤーを外すとSTIそのものが動きません。
分解して治さないとダメなようです。
分解はハンドルバーよりブレーキインナーワイヤーを抜いてSTIを前に外します。
ブレーキレバー取り付け部裏のイモネジを六角レンチで抜きます。と言うより抜ききる手前まで緩めます。
ポンチで軸を横に抜くとレバーが外れます。
レバーブラケットのフードをめくりスクリュー2本でカバーを外し、フライトデッキの配線を外します。1枚目画像

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前カバーをプラスドライバーで外します。ここで外した跡があることに気がつきます。
菊座のスプリングワッシャーを外します。
裏側の回り止めの工夫をしたボルトを抜きます。
レバーから巻き取りメカ部分を後ろへ抜きます。2枚目、3枚目画像

引き抜く際に外したボルト位置にシムが入っています。
前側でスプリングが外れますので、かかり方をよく見ておくと組み立て時にまごつきません。

どうやらどこかで途中で切れたワイヤーを交換した際に、ワイヤー巻き取りドラム(白のプラスチック製)につついた跡がたくさんありました。
上のコイル状のスプリングが片方外れていて、巻き取りドラムの溝に入ってしまったことが故障の原因と分かりました。
このST-3300は組み立てが、実は大変なんです。
上位モデルの7800 6600では、STIの戻りスプリングが両端差し込みになっていて、ちょっとひねって取り付ければできるのですが、このタイプはレバー側にスプリングを差し込み、反対側をひっかける構造です。
このひっかけるに相当な時間がかかります。
実は二人作業だったりします。今回は自分の左手の握力が力尽き、スタッフの川上さんがひっかけてくれました。ブッシュをシャフトの4つの切り欠きに合わせて納め、8mm対角のナットで止めます。非常に微細な作業ですので、シマノも分解図のない分解を推奨していない部分ですので、分解はお勧めいたしません。

shi-st3300


バネがかかれば、もう一つのコイルスプリングの遊んでいる側を、黒のプラスチックカバーにひっかけて納めます。前側に菊座のスプリングワッシャーを入れてボルトで固定します。
裏から回り止めの四角いワッシャーを使い、ボルトを固定します。
ここで動作確認です。
うまく動作したら、配線をくぐらせ、レバー本体をブラケットへ取り付けます。
分解の逆手順なのですが、注意点はピポットのピンの形とストッパーイモネジの位置関係を見て逆に入れないように。正確な大きさのポンチを使う事。
それとブレーキとしてのレバーの戻りスプリングをかけるための専用工具です。
図の16番の工具を5番のスプリングの短いほうへ差し込み、セットして最後に工具を抜きます。

最後に12番の蓋を取り付けハンドルバーに取り付け完了です。

この複雑な構造を毎日のように組み立てラインで組んでいた人たちがいるはずなんです。
おそらくマレーシアあたりで。
セッティング冶具があるはずなんですが、それにしても設計もすごいけどもう少し作業性を考えてくれてもよさそうです。
高級コンポーネントは、巻き取り部が鋳鉄またはアルミ切削でできています。
スプリングもより複雑な形状で、両端が差し込みです。

ところでSORAでフライトデッキを取り付けた方って、はたしていたのでしょうか。
ライトサイクルでも5500、6600や7800にフライトデッキを装着しましたが、3300では一台もありませんでした。
フライデッキとは、シマノ純正のサイクルコンピューターで、ギヤーポジション、変速してすぐにギヤー歯数が表示される画期的なシステムでした。
速度計のほか、タイマー、時計の機能がありました。白い帯状のフラットケーブルが、そのフライトデッキのための配線です。

手で押さえながらの作業でしたので、今朝も手が痛いですが、やり遂げた感で満ち満ちていて、コーヒーカップを持つ手に心地よい痛さです。

こんな作業、自分しかできないと自負して勝手に優越感に浸っています。
写真がなくて文章だけでしたがいかがでしたでしょうか。
多くても一年に数回の作業で、最近はやった記憶が遠くなっていて、体が手順を教えてくれるまで、時間がかかったことに、今回書き記しておくことにしました。
自分で見返せば、またこの時の作業を思い出せて便利ですからね。

ゴールデンウィークのこり最後の一日。
賛否は分かれますが、今回のことで全国津々浦々の地方に潤いがもたらされ、大きな経済効果が生まれると判断されれば、毎年この日本の国土が美しく彩られるこの時期の季節に、10日連休を与えてくれると私は良いと思います。

良い想いで、作ることができましたか?

ライトサイクルブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。

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